UNIQLO&JWアンダーソンは失敗だったのか

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暮れの元気なご挨拶。年末年始は旅行にでも行かなければ基本暇である。日ごろからきれいにしていれば大掃除大掃除と騒ぐ必要もないし、年賀状は最小限にしているので、何をせわしなく振舞う必要があろう。どーんと構えて映画や本やドラマや音楽に埋没すればいい。


今年は忘年会の類は可能な限り断ったので、いつも以上にゆったりしている。わいわい飲み食いするのもまあ嫌いではないが、東京郊外に住む者としては酔客ですし詰めになる終電近い電車で帰宅するのが年々しんどくなっている。比較的早い時間に始まり、遅くならないうちに帰れそうな会のみ二件ばかり参加。


さて、このブログではすっかりUNIQLOや無印良品について書くひとのようになっているが、ファストファッションやプチプラという言い方よりもUNIQLOが提唱するLifeWearという呼び方に共鳴する。おしゃれや着飾るための服ではなく、生活、暮らしのための服。あるいは寒さ暑さから身を守るという意味でLifeは生命とも解せる。機能性とデザイン性、価格がバランスよく保たれたリアリティのある服がやはり好きだ。何年でも着られそうな物が好ましいが、そこに少しだけ今の気分が盛り込まれていれば申し分ない。


UNIQLOや無印の服を10着買うのなら、1着いい服を買ったほうがいいという意見もあるだろう。しかし、高価な1着を買うより10着をあれこれ組み合わせて楽しむのがここ数年の私の気分だ。その割にいつも同じような格好をしているのは、一度気に入ったらとことん着倒すからだろう。


というわけで、今年も服に関してはUNIQLO、無印、ときどきGUという感じの一年だった。いつ何を買い、どう着ているのかについてはこのブログやTwitterにしつこく書いているのでここでは割愛するが、UNIQLOJWアンダーソン(以下JWA)のコラボについて、まとめのようなことを書いてみようと思う。UNIQLO&JWアンダーソンとは何だったのかについて。


というのも、12月に入り、JWAの怒涛のような値下げが始まり、ほとんど投げ売り状態というか、ワゴンではもってけドロボーな展開になっていたため、「ずいぶん売れ残ったんだな」「このコラボ、失敗だったんじゃないか」という声すら聞こえてくる始末。


はたしてUNIQLOJWAとのコラボは失敗だったのだろうか。私はそうは思わない。当初、アイテム写真や公式スタイリングなどを目にした時は正直難易度の高そうな色や柄だなと思い、これまで愛用してきたUNIQLO&LEMAIREUniqlo Uのように前のめりになる感じではなかった。実際に店舗で見てピンときたのは異なる柄や色がパッチワークされたエクストラファインコットンブロードの長袖シャツくらいだった。


ギンガムチェックのシャツを試着してみると、肌触りや形がとても良い。そして何より色の異なるギンガムチェックの配置が絶妙だと思い、一枚購入した。着て、洗って、着てを繰り返すうちに、ますますこのシャツが好きになった。洗いざらしで着てもいいし、アイロンをかけると雰囲気がグッとドレッシーになる。通常のUNIQLOのエクストラファインコットンブロードシャツも着ているが、素材が微妙に異なるのか、JWAのほうが明らかにタッチがなめらか。次第にTシャツやセーター、キルティングジャケットなどにも手が伸びていった。大半が期間限定価格等、定価より安くなってから購入に踏み切っている(定価で購入したものもあるが、決して高いとは思わなかった)


デザイナーであるジョナサン自身がインタビューで答えているように、UNIQLOとの初コラボとなる今回のアイテムはタータンチェックやストライプなどイギリスの伝統的な色や柄を採用しながらも、それをどう古めかしくならないように見せるのかに力が注がれたようだ。そして、通常のUNIQLOの服とのマッチングも考慮しつつ、すべてのアイテムがリンクするようにつくられている。たとえば長袖シャツの上に長袖シャツを羽織って袖をまくったり、長袖シャツの上にTシャツを着たり、ボーダーのメリノウールセーターの上にTシャツを重ね着したりと組み合わせや着方は自由自在。秋冬なのにTシャツが入っているのはそういうことなのである。


もちろん、オーソドックスに着てもサマになる。従来のUNIQLOにはこうした遊びのあるアイテムは少なかったので新鮮だ。シンプルが鉄則という時代から徐々に色や柄などが拡充される中、まさに時代の気分とマッチしていたともいえるし、「普段は決して選ばないタイプの服だけどちょっと試してみようか」と思えるのは、やはりこの価格だからこそ。さすがにこれは着れないよなあと思っていたカラフルなマルチボーダー(通称永谷園ボーダー)のセーターでさえ、実際に着てみれば決して派手すぎることもなく、意外としっくりくるから不思議だ。


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↑青ベースのほうはUNIQLO・INESのコーデュロイジャケットに合わせてもいい感じだった。


先入観が覆される瞬間は、いつでもひとをワクワクさせる。ダークグリーンのキルティングジャケットのインナーに着たりするとなかなかきれいだし、数年前に買った無印良品のネイビーのダッフルコートの中に着るとスクール感が出る。


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↑パンツはワゴン落ちになっていたGUのコーデュロイイージーパンツ。チノだと真冬は寒いので。クラークスのデザートブーツ、猿田彦珈琲×PORTERのトートとも相性良し。

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↑こちらはUNIQLOヴィンテージレギュラーフィットチノ・ブラウンを履いたパターン。

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↑数年前の無印のネイビーダッフルコート。無印は毎年スタンダードなダッフルを出し続けるべき。この日は食料品など買い物の荷物が多くなる予定だったのでバッグはL.L.Beanブーツモービルトート。ごそっとたっぷり入る。


この冬、雑誌『ポパイ』の付録として復活した『オリーブ』では、ロンドンのシティガールがUNIQLO&JWAのウイメンズのツイードコートを着て、インナーに古着のギャルソンのシャツ、祖母が祖父のために編んだセーターというコーディネイトで登場していた。


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この女の子はなぜかまったく同じ格好で『FUDGEファッジ』にも出ていたのだが、版元の異なる媒体でも現地コーディネーターが同じだったのだろうか。『FUDGE』のロンドンスナップではUNIQLO&JWAのチェック柄のトートバッグを抱えた女の子も登場。一方、『STREET』のパリ・ファッションウィークのスナップ特集号の表紙はUNIQLO&JWAのトレンチコートを裏返しに着た女性だった。


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かように、ロンドン、パリで大人気のようである。あるひとに聞いた話では、世界19カ国の国と地域で展開された今回のコラボは、ヨーロッパ、とりわけロンドンやバルセロナ、パリなどで人気だったらしい。当然ながら日本国内のためだけにつくられた製品ではないので、日本人が「こんなの誰が着るの?」と揶揄したところで、ターゲットは世界中にいるのだから着るひとはもちろん大勢いるのである。事実、ジョナサンは今回のコラボに手ごたえを感じたらしく、おそらく世界的に見れば売り上げも良かったことから2018年の春夏も続投が決定しているとのことなので、こちらも楽しみだ。


世界で人気とはいえ、前述のように、実際に着てみれば日本人だからといって似合わないということはもちろんない。強いていえば、ベージュとデニムのワークパンツだけは、デザイナーの意図とはいえ裾が長すぎるため、公式コーディネイトのように大胆に折り返すか裾上げするかしか術がなく、ワゴンで990円にまで下がったにも関わらず最後まで手が出なかった。私が裾を大幅に折り返していると「単に裾上げが面倒だったからそのまま履いているひと」みたいになるし、せっかくデニムの裾に出ているアタリをぶった切るのは忍びない。


ベージュのほうは裾上げしても問題なさそうだが、生地自体はヴィンテージレギュラーフィットチノのブラウンと同一だと思われるので、同チノを最近買った者としてはあえて買う必要性が感じられなかった。フロントポケットのステッチが特徴的ないわゆるベイカーパンツ的なテイストのストンとした太めのシルエットはなかなかよかったのだが、真冬に履くには生地が薄いのではないだろうか。


Pen プラス』のメイド・イン・ジャパン特集号でもこのデニムのワークパンツが取り上げられていたが(使用している生地はおなじみ岡山県カイハラ社製のもの。つまりメイド・イン・ジャパンなのだ)、ジョナサンのコメントを読むにつけ、物としては惹かれるものがあったのだが、やはり履いてみてしっくりこなければ(おもに自分の体形の問題ではあるものの)買わないという決断も必要だ。安いからといって何でもかんでも買えばいいというものでは、もちろんない。


トレンチコートも物としてはよかったが、電車移動の多い者としては、座席に座る時にお尻まわりにつく皺が気になる。そして、オフィス街などに行くと女性がベージュのトレンチを着ているのをよく見かける。出自はミリタリーだから本来は男服なのだが、なぜか「ベージュのトレンチは女性のアイテム」というイメージが定着している。実際、ベージュのトレンチを着た女性はいい。建物に入った時、トレンチを脱いで片手に持つ姿も好きだ。どんなフェティッシュなのかとも思うが。ジェンダーレスがこれだけ叫ばれているご時世、服に女性も男性もないはずだが、たとえば白のセーターなどはやはり女性が着たほうが可愛いわけで、その領域をむやみに侵すべきではないだろう。クリスマスに女性が赤いコートを着ている横では黒かグレー、オリーブのコートを着ている男でありたい。春にピンクを着ている女性の横ではブルーを、といった具合に。


というわけで、UNIQLO&JWA2017で購入したアイテムは以下の通り。


・エクストラファインコットンブロードシャツ ギンガムチェック・ストライプ・プレーン3種類

・グラフィックTシャツ ホワイト・ブラック2種類

・ラムジャカードクルーネックセーター グレー・ブラック2種類

・ウールブレンドキルティングジャケット ダークグリーン

・エクストラファインメリノボーダークルーネックセーター 2種類


なんだかんだで結構買ってしまったが、9月後半から現時点まですべてフル稼働なので買って後悔しているものはひとつもない。あれも買っておけばよかったと思い残すこともなく、欲しいもの、気になったものは一通り入手したことになり、大変満足だ。


同じ型の色違いを購入するのも面白い。普通に考えれば自分にしっくりくるのはこの色だと思い購入したとしても、素材や形が想像以上に気に入った場合、色違いも試してみると、あたらしい発見がある。自分でこの色と決めつけていても、案外ひとが客観的に見ると違うということもよくある。そして、似合う色や形は歳とともに変化する。去年のトマトと今年のトマトは違うと桜田淳子も歌っている。


シャツ、Tシャツ、メリノボーダーセーターは来年の春までしつこく着るつもりである。メリノは通気性がいいので真夏以外は着られるし、もちんTシャツは夏にも着たい。2017年の秋冬には白パーカーしか買わなかったUniqlo U2018年春夏のラインナップを見るとよさそうな物がいくつかあるので、次回は期待したい。









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by sakurais3 | 2017-12-30 15:36

ライター・さくらい伸のバッド・チューニングな日々  Twitter saku03_(さくらい伸) お仕事のお問い合わせ等はメールにて sakurais3@excite.co.jp


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