100歳のHARUTAのローファー

人生初シリーズその2。HARUTAのローファーを履く。

指定靴に定める学校も多いというHARUTAのローファーを、私はこれまで一度も履いたことがなかった。中学時代は紺のブレザーの制服に足元はスニーカーOKだったので黒のコンバースの白紐を黒紐に変えて履いていた。Made in U.S.Aのコンバースが普通に町の靴屋で売っていた時代である。高校は黒の詰襟の制服で足元は黒の革靴という指定があったものの、ローファーと決められていたわけではなかったので、ブリティッシュロックにハマっていた私はDr.マーチンの黒のプレーントゥを履いていた。もちろんmade in ENGLAND。これも普通に町の靴屋で売っていた。

そんなわけで、誰もが通過儀礼として一度は履くHARUTAのローファーを一度も履くことなく人生を歩んできたわけだが、コンサバ中のコンサバといえるHARUTAのローファーを一度くらい履いてみてもいいのではないかと、ふと思った。春、だから?

b0104718_14221686.jpg


私は電車の中などでひとの靴を眺めるのが好きなのだが、どんな髪型でどんな服装をしているかより、どんな靴をどのように履いているのかによって、そのひとのひととなりが見えてくる気がして面白い。「どんな靴を」よりも、「どのように履いているのか」がむしろポイントだ。

という視点から見ると、高校生たちの履いている、おそらくHARUTA製と思われるローファーは、なかなか悲惨なことになっている。合皮なのか本革なのかにもよるが、買ってからほぼ一度も手入れをしていないに違いないと思えるほど汚れていたり、そもそもサイズが大きすぎるために踵がパカパカになった状態でスリッパのように履いていたり、逆にキツいからか踵を潰して履いていたり。靴そのものの問題というより、履く側の“どう履くか”の問題が大きいのだろう。

HARUTAのHPを見ると、足立区に本社を構える株式会社ハルタの創業は大正6(1917)年。つまり、今年で創業100年を迎えたことになる。以下、HPに記載されている同社のコンセプトを引用する。

----

「ハルタかぁ、なつかしいなぁ」「わたしもハルタを履いていました」 そんなうれしい声が、今も、お客さまや取引先の方々から私たちに寄せられます。そう、ハルタは、中学生や高校生などの学校制定靴を作るメーカーとしては、日本でトップシェアを誇る企業なのです。欧米のように子供の頃から革靴を日常的に履いている国とは違い、わが国では革靴に親しむのが、ちょうど中学や高校に入学する時期になります。私たちは、より多くの皆様に、靴とのいい出会いをしていただきたく、品質を落とさず、学生の皆さんでも購入しやすいような価格設定で商品を提供することを企業としての"誇り"と捉え努力してきました。私たちのポリシーは、高品質の靴をお求め安い適正な価格で提供することです。


戦後いち早く新しい製靴技術をアメリカに学び、 独自の技術力とあわせて新たな大量生産方式を生み出し、日本の先駆的靴メーカーとして消費者の皆様方に製品を提供し続けてきました。皮革の供給など原材料にもハルタオリジナルの素材を使い、生産工程にも先端技術の習得と応用に努め"インテリジェント・マニュファクチャリング"を実践。常に良い製品を供給するためのシステムを常に追及し続けています。時代のニーズを絶えず敏感に捉えながら商品を研究してゆくこと。ファッションとしての先進性はもちろんですが、人間の足をとことん科学し、足に優しい靴を開発するなど、靴への関心の高まりとともに、私たちの商品開発の領域も広がっています。 通学用スクールシューズはもちろん、ドレスアップ、カジュアル、そしてハルタの原点でもある子供靴への取り組みなど、靴にこだわり続ける私たちの仕事は続きます。そのような私共の事業によって、より多くの方々に靴の上手な選び方や楽しみ方を知っていただき、わが国における靴文化のさらなる興隆の一助となれれば、私共にとってそれ以上に嬉しい事はございません。

----


なんとなく実直な企業姿勢のようなものが伝わってくるような気がするが、たまたまHARUTAのローファーに関心をもったタイミングが創業100年の年だったというのも何かの縁かもしれない(運命とは言わない)。高校生が汚れたまま適当に履いているローファーを、綺麗に、制服でもなくスーツでもないしかるべき服装に合わせて履いてみたらどうだろうという実験精神も少なからずある。同社HPも、こんな感じにおしゃれっぽいコーディネイトを推奨している。あるいは熊谷隆志のGDCとのコラボのロックなローファーなんてのもある。


b0104718_14274894.jpg

ちなみに現在のハルタガールはミスセブンティーンの八木莉可子である。


b0104718_14244625.jpg


たまたま3月中で失効するらしい某商業施設のポイントが5000円分あったので、よし、これを使ってHARUTAのローファーを買ってみようと思い立った。合皮の6550というモデルで税込5389円。店頭には合皮のものしかなかったが、ネットやしかるべき店に行って1万円くらい出せば本革が買える。しかし、ここは最も流通しているはずの合皮のローファーがどのような履き心地なのかをまず知りたいという気持ちがあったので、これでいい。


ローファーは紐靴よりもサイズ選びがさらに重要だ。紐での調整が効かない分、ジャストサイズが鉄則。ネット通販のコメントなどでは、親が子どもに買い、届いてみたらサイズが大きかったが成長期ですぐ足が大きくなるからこれでいい、というようなことが書かれていて、おいおい、と思った。成長期ならなおさら足の変形が怖いと思うのが普通の感覚なのだが。


それはさておき、HARUTAのローファーを履いてみたファーストインプレッションとしては、3E幅ということもあり、いわゆる日本人の足型に合うように設計されている靴だなということ。ジャストサイズを選べば、踵の浮きもなく、幅や甲もキツくもない。これはなかなか悪くないなと、クーポンを使い、足りない389円のみ払ってお買い上げ。


合皮なので、特にお手入れも何もありゃしないとは思ったものの、合皮とはいえ革の成分がブレンドされているのだろうから、履く前にデリケートクリームをひと塗りしてみた。ガラスレザー的な光沢が生まれ、それほど安っぽい印象はない。少量のクリームで屈曲部の曲がりも良くなった。合皮といえども、何も手入れをしなくていいというものでもなさそうだ。


数日前の冷え込んだ日にウールチェックのコートとデニムに合わせて履いてみた。

b0104718_14285765.jpg

b0104718_14291390.jpg


履き心地は悪くない。ロールアップしたデニムに赤いソックス。今の気分としてはデニムはもう少しゆったりしたシルエットのものにしたい。春になったらベージュのステンカラーコートに合わせるのも良さそうだ。まさにコンサバ。


春からHARUTA。気分は新入生である。何に入学するつもりなのだろうか私は。




[PR]
by sakurais3 | 2017-03-17 14:33

ライター・さくらい伸のバッド・チューニングな日々  Twitter saku03_(さくらい伸)


by sakurais3
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30