MUJI BOOKSとRe MUJI


昨日(9/4)、有楽町で取材があったので、帰り際にこの日リニューアルオープンの無印良品有楽町店に寄ってみた。



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と、その前にちょうど時間も良かったので交通会館地下のキッチン大正軒で昼食。「ちょうど時間も良かったので」というのは、14時をまわる頃だったので空いているだろうという判断だ。案の定、カウンターだけの店内に先客は2名ほど。ずば抜けて美味い訳ではないが、いかにも個人経営の町の定食屋然とした(洋食屋のそれとも異なる)メニューと味がこの界隈においてはいささか異色なのか、昼時にはサラリーマンらが列をなしている。


定番は、しょうが焼き又は煮込みハンバーグのいずれかをメインに、ヒレカツやアジフライ、冬の時期にはカキフライ等の揚げ物を選択できるコンボメニューなのだが、この日はなんとなくロースカツカレーに。ほとんど辛さが感じられないどちらかといえばハヤシライスソースに似た味のカレーに揚げたてのロースカツが無骨に乗せられた一品だが、今日の気分にはどこか相応しかった。



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夫婦と娘がきりもりする家族経営の店なのだが、いつも会計を済ませると娘が「いってらっしゃい」と笑顔で送り出してくれるのが少しうれしい。大正時代から巣鴨で肉屋を営んでいたらしく、なるほどルーツが巣鴨と知るとこのメニューと味のいい意味での垢抜けなさの理由が分かるような気がする。


おっと、無印についてだった。世界最大規模の旗艦店として生まれ変わった無印有楽町店の目玉は、なんといっても1万冊を有する書店MUJI BOOKSと古着をリユースするRe MUJIだろう。


MUJI BOOKSは、松岡正剛率いる編集工学研究所が選書を手掛けている。松岡正剛といえば2009年から2012年まで東京駅駅前のOAZOの丸善で「松丸本舗」なる独時の書棚をプロデュースしていたことでも知られている。本を作者や出版社別に分類するのではなく、テーマによってカテゴライズし、それが全体を通して有機的に結びついていくという松丸本舗の考え方は、このMUJI BOOKSでも踏襲されている。


しかし、そこやはり無印、店全体のテーマが「くらし」なので、選書についても「くらし」という大きな木のもとに、文化という細かい枝葉が伸びているというイメージ。あるいは、文化という大きな木に「くらし」の枝葉が伸びているのか。アカデミックな松丸本舗と比べるとポップで軽やか、親しみやすさのある棚になっている。とはいえ、「ライフスタイル」という表層的なものではなく、「くらし」と「文化」と「歴史」を接続する「生活文化」のありようを書棚で構築している印象だ。


さらに、書棚は店舗内を横断し、コーヒー豆を焙煎できるコーナーのそばにはコーヒー関連の本棚が、婦人服コーナーには女性向けファッション本の棚が、というように、本とその他の商品を分断するのではなく、ゆるやかに一体化させるつくりになっている。以前にも書いた気がするが、「本屋で売られている服」や「CD屋で売られている本」「雑貨屋で売られているCD」といったものが好きな人間としては、この店舗の構成には胸躍るものがある。代官山の蔦谷書店に似ていなくもないが、こちらのほうがより混沌としているというか、全体が「雑誌のようなつくり」と言っていいかもしれない。



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すでにお目当ての本が決まっている場合はアマゾンのほうが断然楽だが、MUJI BOOKSのような書棚では思いがない本との出会いがあり、そうした時間そのものを楽しむ感覚で利用するのがふさわしい。棚を見て歩き、本に手を延ばし、パラパラとページをめくっているだけでも平気で1時間くらい経過していたりするから、時間に余裕のない時は危険かもしれない。


シンプル、ベーシックは神!な無印としてはかなり攻めているレイアウトも見どころ。龍をイメージしてつくられたという書棚のインパクト! 絶対に取れない! 書棚の設計はアトリエ・ワン。


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そして、もう一つの目玉で、個人的にはこちらにより注目していたRe MUJI2010年からスタートした服を回収~再利用する「FUKU-FUKUプロジェクト」の過程で、回収した服の中に「これまだ全然着れるよね」というものが結構な数あることが判明。それらの服と流通過程で生まれた販売不可の商品をストックしておき、染め直して再販売するというもの。つまり、ペットボトルからフリースをつくるようなリサイクルではなく、コーラの瓶を洗浄して再利用するようなリユースだ。Re MUJIは地方の一部店舗で実施していたプロジェクトだそうだが、満を持して東京進出といったところか。



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着なくなった服の回収は、さまざまなメーカーが行っているが、染め直して再び販売するケースはかなり珍しいのではないか。それなりに手間とコストのかかる話だが、濃淡さまざまなインディゴで染め直されたアイテムは、ありていに言ってとても洒落ている。しかも、価格は一律2900円と安い(もともとは定価で販売した時点で売り上げがあり、その後タダで回収しているのだから当然といえば当然だが)。


現行売られている無印の服よりも魅力的に見えるというのは一種の本末転倒かもしれないが、惜しむらくは、ほぼすべてが一点もののため在庫数が限られているということ。リニューアルオープン初日にも関わらず、メンズの在庫はほぼなし。もともと少なかったのか売れてしまったのかは分からないが(単にメンズの服の方が回収されにくいという話かもしれない)、随時入荷するのであればマメにチェックしていきたい。


Re MUJIはいささか当てが外れてしまったので、普通の紳士服コーナーでインディゴ染めのポタンダウンシャツを一枚購入。ここでなくても買えるのだろうが、無印は大型店舗のみで扱う商品もあるので、気になった時に買っておいたほうが間違いがない。そうしたら、レジのスタッフが「先着でマイバッグを差し上げています」と言ってインディゴ染めと思われるRe MUJIライクなエコバッグをくれた。あとで知ったのだが、リニューアルオープン記念で先着5000名にプレゼントしていたらしい。Re MUJIが買えなかったので、その代替としてありがたく使わせて頂く。


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by sakurais3 | 2015-09-05 13:24

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