新宿で打ち合わせが終わり、あるひとのブログで知ったハンバーグが美味しいらしい店へ意気揚々と向かうも、準備中の札が。あれ、おかしいな、15時までやっているはずなのだがと時計を見るとまだ14時10分。しかたなく階段を降り、2階の窓を恨めしく見上げていると、店主とおぼしき男が慌てた様子で階段を駆け下りてくる。何ごとかと見ていると、ビルの1階にあるロト売り場に駆け込みスクラッチだかなんだかを買っている。そんなに焦って買うようなものなのだろうか。本来開いているはずの時間に店を閉めてまで。だめだな、この店。
その足で南口のフラッグスビルヘ行き、オッシュマンズでスニーカーと服を見て、チャンピオンのニットキャップを買おうかどうしようか迷って結局買わず、そのまま階上のタワレコへ。J-POPのフロアをうろうろしていると、何やら「お?」と思う曲が耳に飛び込んできた。店員に「いまかかっている曲は誰ですか?」と聞くのは恥ずかしいので、おそらくこっちだろうとインディーズのコーナーに行くと、なんとなくそれらしいアルバムが。『よしよし、サマー!』ラブリーサマーちゃんと芳川よしの。恥ずかしながらまったく知らない名だが、ジャケットやアーティスト名からして、たぶんこれに違いないと試聴用ヘッドフォンを耳にあてると、ビンゴ。
店頭のPOPには、クラウドファンディングで制作されたCDで、都内の一部CDショップのみで扱っている旨が書かれている。本日発売らしい。1曲目の歌い出しを聴いた瞬間、「うーん、やくしまるえつこだなあ」と思ったのも束の間、2曲、3曲と聴き進めていくうちに印象が変わった。ファーストインプレッションは相対性理論/やくしまるえつこでも結果的には別次元へと導いてゆく。ラブリーサマーちゃんのたぐいまれなボイスとトラックメーカー芳川よしのキャッチーさが見事に融合している。
店内で試聴しながらスマホで検索すると、ラブリーサマーちゃんのサイトの
soundcloudでアルバムを全曲聴くことができるようなので、とりあえず今日はCDは買わず。
帰りの車中、soundcloudで『よしよし、サマー』を全曲聴いたのだが、やくしまるえつこというより早瀬優香子の正統な継承者のような気がした。早瀬優香子を知らないひとはYouTubeなりなんなりで調べてもらうとして、ポップでアンニュイというまさに自分の大好物の音がそこにあった。
ラブリーサマーちゃんとは何者か。サイトのプロフィールや
まとめサイトによれば、「1995年生まれ、都内在住の19歳の女子で2013年の夏から宅録をはじめネットで公開し始めた」とのこと。tofubeatsの「水星」をカバーしていたことがきっかけでtofu&藤井隆の「ディスコの神様」にもコーラスで参加していたらしい。
そして、祖父が「いずみたく」だという。なんと言っていいのか良く分からないが、なんだかすごい。祖父がいずみたく!
おそるべき19歳がいたものである。知っているひとはとっくに知っているんだろうけど。