夏ドラマ終わりゆく


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dancyu』がカツサンド特集か。なんだか『ポパイ』『ブルータス』化してるな。ガイドとしては薄そうなので立ち読みのみにとどまったが、地元の「煮かつサンド」が出ていて「お!?」と思う。まあ、テレビでも結構採り上げられているので不思議ではないが、あそこはどちらかというと煮かつ単体よりもタマゴサンドとのコンビがおすすめだ。


これは煮かつ単体。

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それはさておき、夏ドラマが佳境に入った。賛否両論および低視聴率とはいえ『若者たち2014』と『おやじの背中』が同じ時期に放送されたというのはそれなりに「いい景色」だったなあと思う。


今週末、『若者たち』の78話の録画を見ていたのたが、どちらも泣きながら見た自分ははたしてアホなのだろうか。ベタで暑苦しくて全員が自分本位のダメ人間で基本ロクデナシしか出てこない話ではあるのだが、そんな欠点だらけの人間たちが、衝突したり和解したりしながらなんとか助け合って生きていく姿を、ぼくは鼻で嗤いたくはない。彼らの行動原理に対して「イライラする」と言うひとがいるが、ロクデナシがなんとかかんとか生きていく姿を描くのがドラマであり映画であり文学でありマンガのはずだ。賢いひとばかりが出てくる物語を見せられても「だから何?」だろう。


などと理屈をこねる必要もなく、とにかく毎回エモーションを揺さぶるドラマであることは間違いなく、泣けたからいいドラマだなどと言うつもりもないが、情動に訴えるドラマを悪く言う必要もないだろう。脚本のいびつさや杉田演出の過剰さを差し引いても俳優の表情をただ見ているだけで幸福な気分になると言い切ってもいいほどで、それこそ劇中のセリフ通り「理屈じゃねえんだよ」なのだ。


しかし、この世界観で「リベンジポルノ」というフレーズが出ることの違和感というのも確かにある。さんざん「時代錯誤」「こんな若者はいない」といわれたことでなんとか今ふうにしようとしているのだろうが、そういう取ってつけたようなことをするからかえってバランスがおかしくなっているような気もする。あるいは6話の「リサ・ローブを弾き語りする長澤まさみ」も、その狭い人間関係の中でリサ・ローブ好きがそんなにいるなんてヘンだよ、と思わなくもないし、そもそもこのドラマ的にリサ・ローブというチョイスが正解なのか?という気もする。とてもいいシーンなのだが。






橋本愛の「飛龍伝」の回の評判がすこぶる悪かったが、まあ、もともとつかこうへいの芝居自体がああいう世界観ですからね。全共闘世代を全肯定するような。それをチョイスしている時点で時代錯誤といえば時代錯誤なわけで、問題なのはむしろ飛龍伝とリサ・ローブを結びつける設定上の説得力が一切ない、ということのほうではないか。


などと、いろいろあるっちゃああるのだが、それでも毎週泣きながら見てます。おまえの涙腺のパッキンがバカになってると言われればそれまでだが。



『おやじの背中』についてはフイナムの連載で書いたとおり。ただし山田太一『よろしくな。息子』の放送直後に書いているため、これについてはあまり掘り下げられなかった。山田太一ドラマを見続けてきたひとにとっては、これまで繰り返し氏が描いてきたテーマのダイジェストにも思えただろうし、ほとんど見たことのないひとにとっては「何、このセリフ回し。ヘン!いい意味で」と新鮮に映ったのかもしれない。



原作未読ゆえ、連続物として毎週楽しみにしていたのは『ペテロの葬列』。宮部みゆきのミステリー物は設定倒れの場合もあるのだが、今作はなかなか引き込まれた。1冊の小説を11話にしているため、やや冗長な部分もあるにはあるが(「悪は伝染する」というフレーズが多用される割になかなか実態が見えなかったり)、ストーリーテリングとしては相当良く出来ている。ただし、月曜8時という放送枠はどう見てもふさわしくないのだが。家族向けでもないし。


俳優としての小泉孝太郎というひとには興味がないが、この役には合っている。平幹二郎、長塚京三、柴俊夫、室井滋、国仲涼子、長谷川京子、ムロツヨシと脇を固める布陣もなかなか豪華だったし、各持ち場で力を発揮していた。


そして、タイトルバックにも使われているこの写真に、いろいろヒントが隠されているような気がする。長塚京三の後ろに柴俊夫がいるのは偶然ではない、はず。


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最終回は9/15。明日9/813:5715:50にこれまでのダイジェストと89話の再放送があるらしい。今からでも間に合う? 興味あるひとはぜひ録画を。



もちろんテレ東深夜の『アオイホノオ』も見ている。金曜夜のEテレ『ニッポン戦後サブカルチャー史』から『アオイホノオ』の流れは濃い。『サブカルチャー史』講師の劇作家・宮沢章夫には、80年代後半『月刊カドカワ』で連載していた「彼岸からの手紙」を読んだ時から多大な影響を受けているし、舞台も見ている。『サブカルチャー史』は見ながら、なるほどと思う部分もあれば、うーん、そうかなと思う部分もある。見る者の年齢や経験値、視座によって同じ事象が違って認識されるのは当然で、各自「オレの考える〇〇年代」を再検証していくきっかけになればいい、というつくりなのだろう。いろいろと整理するヒントになる。



今期は学園物が不作だったか。なんとなくドラマ『鈴木先生』的なことをやろうとしている気配もあった『GTO』は個人的にまったく響かなかった。鬼塚がほぼ機能していない印象だったが、「今やひとりのアツい教師がいたところで学校の問題は解決しないんですよ」という、ヒーロー教師が現実の問題に対して敗北する様を自覚的に描くのであればそれはそれで意味があったように思うが、どうも作り手側はそういうつもりでもなさそうだし、何がしたいのかよく分からなかった(全話追いかけている訳ではないのであしからず)。







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by sakurais3 | 2014-09-07 13:16

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