人はなぜ居酒屋に行くのか

一週間完全禁酒以降、飲みに行くのはせいぜい近所の店に週一回、飲んでも一、二杯というペースを死守している。

が、昨日は東京駅・八重洲のルノアールで某氏の取材が終わったのが夜7時くらいということもあり、これはひさしぶりに八重洲地下街で晩ごはんがてら少し飲んで行こうじゃないかという気分になった。

ヤエチカでときどき行く店はほぼ決まっているのだが、せっかくだっからまったく行ったことのない店にしようと思い、店頭のメニューなどをヒントに飛び込む。

例によって一、二杯で切り上げるつもりなので、「とりあえずビール」などという根拠のない予定調和はなしにして、いきなり核心に触れるべく、一杯目から日本酒。

山形正宗の純米を自家製のポテサラで。燻製したサバを入れたポテサラが日本酒とよく合う。完成度高し。
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つぶ貝の潮煮というのがバツグンにうまかった。磯野香織…じゃなくて、磯の香り。
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これに合せた酒は、秋田・新政酒造の「亜麻猫」。はじめて飲んだが、これは面白い。焼酎に使う白麹と日本酒に使う黄麹を半々にブレンドしているという。微発泡で、心地よい酸が立つ。ロックなんかでもイケそう。14度と、日本酒としてはアルコールも低め。
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週末の夜7時ということもあり、テーブル席は満席で混沌としているが、カウンターは客ゼロなので、背後の喧騒を後目に落ち着いて飲める。

日本酒担当らしき兄ちゃんがいろいろとお奨めの酒を、頼んでもいないのに試飲させてくれる。「これ、お客さんにいただいたお酒なんですけど、ちょっと飲んでみますか?」などと言ってはグラスになみなみ注いでくれる。もちろんタダで。以前、お客にもらった酒を出してお金をとる店があったが、それはどう考えてもフェアじゃない。

二合しか頼んでいないのに、カウンターの上は思いがけず「ひとり酒宴」の様相を呈している。
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しばらく居酒屋と距離を置いていたが、この日確信した。

やっぱり、居酒屋は楽しい。

酒の味云々ということよりも、居酒屋という空間そのものが、魂を解放してくれるのだ。

逆にいえば、魂が解放されないような居酒屋に行く理由は、ない。

この夜、気持ちのいい接客も含めて、完全に魂が解放された。

名も知らない兄ちゃん、ありがとう。

どこかへ旅したような、いい心持ちのまま中央線に飛び乗った。

知らない居酒屋に行くことも、ちいさな旅なのだ。魂を解放する、旅。


おっさんも多いが、OLちゃんが「銀だこ」で立ち飲みしていたりするヤエチカは、やっぱり楽しい。
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by sakurais3 | 2013-04-27 18:31

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