


いまのところ、1984年~2008年という時間幅のなかで物語は進行しているが、84年といえば、主人公アキの母親役のキョンキョンがアイドルとして全盛期を迎えていた頃だ。
24年の月日が流れ、自分の娘がふるさとで海女としてアイドルになる、ということか。
随所に80年代ネタを盛り込んでいるところも楽しいのだが(ゴーストバスターズとか)、このあと薬師丸ひろ子も登場するということは、クドカン的80年代の総括のような話になるのかもしれない。
そして、それら80年代的なものごと(バブル景気や東京信仰、『地方の時代』というかりそめの夢)が、2011年の3月11日を境に完全にノスタルジイになる。そこからどうやって80年代的ではない「地方のありかた」を模索するのか…というあたりがカギになるのだろうか。
まだ二週目に入ったところだが、「正しい朝ドラ」を期待するひとたちの心も掴みつつ、サブカル的なドラマオタクをも唸らせる展開になりそうな予感。

あの素っ頓狂なテーマ曲とともにノーネンちゃんが飛び跳ねるオープニングを見るだけで、なんともいえない気分になる。植木等の「スーダラ節」的というか、ドリフのセット反転時の音楽のような、というか。ヘンに歌ものにしなかったのは正解かもしれない(NHKのことだから紅白を見越して後半歌ものにする可能性もあるが)。
そういえば、日曜の朝だったか、たまたま枕元のラジオをつけたら、薬師丸ひろ子の番組をやっていた(金曜の夜に宇野常寛のオールナイトニッポンゼロを聴きながら寝たのでそのままニッポン放送にチューニングされていたのだった)。朝の8時半くらいだったと思うが、こんな時間に薬師丸がラジオをやっていたなんてまるで知らなかった。
そこで、3月に終了したドラマ「泣くな、はらちゃん」最終回のエピソードを話していた。薬師丸演じる百合子が、越前さんとともに居酒屋で最後にはらちゃんと会うシーン。百合子が立ち去るとき、越前さんにそっと何かを耳打ちするのだが、これは脚本にはない、薬師丸のアドリブだったという。
「わたしは脚本家ではないので、ドラマのセリフを勝手に付け足すことはできません。何を耳打ちしたのかはみなさんのご想像におまかせします。あれはわたしから、越前さんへの贈ることばです」と、薬師丸。
へえー、そうだったのか。
そのあと、百合子が夜道をスキップしながら帰るところ(百合子のラストシーン)も、薬師丸のアイデアらしい。脚本を読み、自分なりの百合子像を思い描き、テストでスキップをしてみたところ、監督が「それでいきましょう」ということになったのだ、と。
こういうことをする女優だったんだなあ。ますます「あまちゃん」がたのしみになった。
「はらちゃん」から「あまちゃん」か。
薬師丸、といえば、やくしまるえつこのアルバムが明日(10日)発売。
名曲「ロンリープラネット」も収録。
7月には相対性理論のニューアルバムも出るんですってよ。
James Blake待望のニューアルバムも。