安達哲meetsコドモ警察
2013年 03月 01日
これはもう、マンガ界における「事件」と言ってよいのではないか。
などとひとごとのように書いているが、ナタリーの記事に「監督を務めた福田雄一のインタビューも掲載されている」とあるインタビューとは何を隠そう、このワタクシが担当している。
そもそもこの奇跡のコラボは、昨年の夏くらいに編集者のOTさんと飲んでいる時、今回の件とは別の話でワタクシが「安達哲さん、どうかな」とその名を挙げたことがはじまりだった。
その企画は紆余曲折の末、頓挫してしまったのだが、深夜ドラマで話題になった「コドモ警察」が映画化されるタイミングで安達哲さんとのコラボ企画が生まれた。最初にOTさんに安達さんの名前を出したのは自分だったが、今回の「『コドモ警察』を安達先生で」というアイデアはOTさんによるもの。
という経緯があったため、OT氏がこのインタビュー仕事を振ってくれたわけだが、なにしろ「さくらの唄」に衝撃を受け、「バカ姉弟」が大好きな人間からすれば、安達先生のマンガの前のイントロとして自分の記事が載っているということ自体が単純にうれしい。大好きなアーティストのフロントアクトを務めるミュージシャンのような誇らしい気分だ。
今回の「安達哲meetsコドモ警察」は映画公開に合わせたスペシャル企画だが、マイコ(本田望結ちゃん)の活躍も見たいので継続希望。
なにしろ、「見た目はコドモ、中身はオトナ」という昨今の子役ブームに対するアイロニーを含んだ「コドモ警察」の設定を踏襲しつつも、完全に「バカ姉弟」を継承する世界観が繰り広げられているのだからたまらない。
そして、この吉瀬美智子演じる松田凜子を見よ。うつくしい。
というわけで、「月刊ヒーローズ」はセブンイレブン限定で絶賛発売中です。買うべし。200円だし!
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乃木坂史上最高の名曲との呼び声高い乃木坂46の新曲「君の名は希望」は、MVを「リンダ リンダ リンダ」「マイバックページ」「苦役列車」の山下敦弘監督が手掛けている。
ロングバージョンを見るとよくわかるが、演者を追いこんでいく様は、薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」や斉藤由貴の「雪の断章」などで女優をとことん追いつめていくことでポテンシャルを引き出した相米慎二の演出法を思わせる。終盤の長回しも。
このMV(ロングバージョン)で映画「リンダ リンダ リンダ」のセリフをしゃべらせるくだりが出てくるが、この映画が公開された際、山下監督にインタビューさせていただいたことがある。その時、山下監督は、女子高生たちがブルーハーツのコピーバンドをやる「リンダ~」を演出するにあたって、「何回もオーディションやリハーサルを重ねていくうちに自然とできあがった雰囲気やキャラクターが作品を引っ張っていった」と語っていた。
今回の乃木坂のMVを見ていて、そのことを思い出していたが、今回のほうがより過酷になっているのは、徹底的に圧力を加えることによって、最終的に「希望とは何か」という曲のテーマが透けて見えるようにするためなのかもしれない。
そして、最終的なオーディションの結末はCDに付くDVDで見せる、という手法もうまい。握手券でセールスを稼ぐより、よほど気が利いていると思う。