「ゴーイングマイホーム」最終回を見て
2012年 12月 25日
枡
クリスマス。
サムい…
「ゴーイングマイホーム」「平清盛」「悪夢ちゃん」と、見続けてきたドラマが軒並み最終回を迎えた。
仕方のないことだが、最終回というのはどうしても全体の話を回収しなければならないため、やや説明的にならざるを得ない。よって、ドラマ的にいちばん盛り上がるのは最終回に向かう直前の数話ということになる。そうしたことを踏まえても、「ゴーイング」の最終回は素晴らしかった。見終ったあとの充実感という意味では今期イチではないか(まだ「高校入試」の最終回が残ってはいるが)。
最終回について言えば、伊丹十三の「お葬式」を超えていると思う。「父と息子の確執と和解」というテーマがまったく説教臭くなく、じんわりと胸に響き、すべてのシーンが、すべての人々が愛おしく思える。10話を費やして生まれる登場人物に対する愛着のようなものが最大限に活かされた見事なエンディング。なつかしくもあたらしい「ホームドラマ」の傑作が生まれた。そして、「ひさしぶりの復帰作にも関わらず低視聴率」とメディアが無責任に揶揄しまくった山口智子だったが、彼女の役どころである「料理のプロ」という設定が後半非常に効果的に物語を推進していた。さまざまな場面で、食べ物が人と人とをつなぐ役割を担う。しかも、わざとらしくなく。うまいなあ、と思う。
そして、録画しておいた22日放送の「高校入試」12話も見る。入試をぶっつぶそうとした犯人がついに明らかになったわけだが(大ボスはあのひとだろう)、オレ、だいぶ前に犯人分かっちゃってたんですけど。というか、過去のブログでもちらっと書いてたりするんですけど。まあ、注意深く見ているひとは分かるだろうし、ある程度のミステリー読みなら予測はできる。つまり、「この状況下で最も意外な人物」を考えればいいのだから。物理的に単独犯では無理ということも、途中から分かる。
いや、だから面白くなかったということでは全然なく、むしろ、「入試会場という名の密室ミステリー」として非常に楽しませてもらった(まだ終わってないけど)。願わくば、現行の入試制度に対する異議申し立てみたいな説教臭い終わり方だけはナシにしていただきたいが。
今年最後の(おそらく)カツカレー。with Sさん。
そして、でんぱ組Inc.の新曲はヒャダイン渾身の一曲。ひきこもりのネトゲ中毒からアイドルへ、極小のステージから世界へ、というヒストリーを高らかに謳う自己言及ソング。コンプレックスを個性に、ネガをポジに変換する装置としてのアイドルという構図を理解しなければ、今の(AKB的巨大空母じゃないほうの)アイドルは語れない。
カップリングはかせきさいだあ・小暮晋也の「くちづけキボンヌ」コンビ。PVはiPhoneによるメンバーの自撮り動画を編集しているという「くちづけ」におけるチェキを並べたパラパラ漫画風PVのアップデート的手法。