ポップカルチャーな日々

ももクロ紅白初出場を前に再確認しておきたいこと。いわば、ももクロ・ビギンズ。↓何度見ても泣ける映像。あかりんのいた日々。




先週~今週は、ある媒体の「日本のポップカルチャー」特集のための取材や原稿書きに奔走。ボカロ、カプセルトイの原稿を書いたり某ライターの書いたあまりにもヒドい没原稿を書き直したり宇野常寛氏に早稲田の「PLANETS」編集部にてインタビューしたりしているうちにもう週末。

宇野氏へのインタビューの席で、やや余談的に大河ドラマ「平清盛」の話になった。「清盛、超おもしろいですよね。視聴率悪いですけど」と話を振ると、宇野氏は「そうなんですよね。今年いちばんのドラマじゃないですか。僕もこれからいろんなところで擁護していきますよ」と言う。思わず膝を打つ。ぺしん。

そうなんだよ、面白いんだよ清盛は。見てなかったひとは、今年大切なものを見過ごしていると思うなあ。

それから、今回のポップカルチャー仕事で再確認したのが、「クリエイティブな仕事に断捨離は不要」ということ。たとえば、70~80年代当時のカルチャーや風俗を検証しようとする場合、wikiやYouTubeを漁っても限界がある。今回、捨てずに所持していた1979年発行のSF雑誌「スターログ」や10年前ブックオフで100円で買った「1980年百科」(1990年初版・JICC出版)などが資料として大活躍。「そういえばあの本のあの辺に載ってたような」と思い出す自分の記憶力にも驚いたが、なによりその雑誌や本が手許に残っていなかったら意味がない。

が、本や雑誌を捨てずにむやみやたらに取っておいても、結局死蔵されて見つけられなくなるので、年に一度か二年に一度は蔵書(おもに雑誌類)の再検証が必要だ。当然、毎年新たに本は増えていくので、「いる・いらない」をふるいにかける作業をしなければ本棚および床がパンクする。これは、「2週間使わなかった資料などは思い切って捨てる」という断捨離の手法とは似て非なるものだ。「使う・使わない」ではなく、「これは捨てると再入手が困難になるな」ということがポイントになる。あるいは、その当時の時代相を切り取るような雑誌の特集(年間ランキング、総集編的特集など)は、後から活用する可能性大なので取っておくというように「先を見越した予測」が重要になる。

クリエイテイブな仕事とは、工場で部品を組み立てるように合理性だけを求めるものではないのだ。


そんなことがありつつ、昨晩は六本木にてB社の忘年会。道中あまりにも寒いので、「寒(サム)ソナイト!」と叫びながらコンビニで貼るカイロを買い、背中に貼って会場へ向かう。こういう席では基本見知った顔ぶれとしか話をしない。酒席で名刺交換しても、ほとんど役に立ったためしがないのだから、知り合いと、こんな時にしかできないような話をしているほうがずっと楽しい。

自分のような仕事の場合、ふだん面と向かって発注者から褒められることは実は珍しい。きちんと報酬が振り込まれる、次のオファーがある、ということがいわば評価の証であり、「評価してなかったらそもそも頼まねえし金も払わねえよ」という暗黙の了解のうえに発注側とこちらとの関係性が成り立っているわけだが、忘年会などに顔を出すと、「いやー、さくらいさんの原稿にはいつも感心してますよ」とか「この前のあの記事、すごくよかったですよねえ」とか「いつもブログ読んでます。影響されて昔買ったレッドウイング出しました」みたいなことを直接言われたりするので、なんというか、いや、あの、その…ちょっとうれしい。

一年に一度くらい、こういう日があってもいいよね。

忘年会は、外人の店員がうろうろするギロッポンのカフェレストランで行なわれたのだが、ミラーレス一眼を持参していたにも関わらず写真は一枚も撮らず。忘年会の写真をブログに貼ったところで関係者以外誰が喜ぶのかという気もするので、まあいいか。めちゃ旨そうだったカレーを食べ損ねたのが唯一の心残り。

そのあと、編集Oさん、旧知のカメラマンUさん、初対面のデザイナー氏とともにメキシカンの店で二次会的飲み。「戦争とデザイン」とか、いろいろ興味深い話が出たが、「高橋幸宏のかっこよさについて」の話題が印象的だった。結局、YMOでいちばんかっこいいのってユキヒロだよね、という話。

伊丹十三、加藤和彦の系譜に連なりつつ、あそこまで何かを背負っていない感じがかっこいいのかもしれないし、ひょっとするとそれは「常に弟キャラ」という立ち位置とも関係があるのかもしれない。父親やアニキじゃなくて、弟としての軽やかなスタンス。「そんなにボク、本気じゃないんで」みたいな。今となっては、その飄々たる姿勢がかっこよく映るのかも。こだわりはあるけど、イズムみたいなものからは自由というか。

そんなことを考えながら激混みの中央線で帰宅。満員電車は体力を奪うだけでなく精神にもダメージを与える。満員電車の中で後ろから押されても自分のテリトリーを死守したまま1センチたりとも動かないひとってのがいるが、あれは一体何なんだ? つり革を掴む手がプルプルするくらい踏ん張って「絶対に詰めるもんかばかやろう」光線を出す、暗い目をした若手リーマン…。謎。


by sakurais3 | 2012-12-20 16:47

ライター・さくらい伸のバッド・チューニングな日々  Twitter saku03_(さくらい伸)


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