結婚しないのできないの?
2012年 10月 19日
「結婚しない」1~2話視聴。
1話を見た限り、菅野美穂はかわいいし、天海祐希との対比も悪くないなと思ったのだが、2話を見て評価が変わった。脚本・山崎宇子、坂口理子、演出・石井裕介という「私が恋愛できない理由」のスタッフが手掛けているということもあるが、今の日本の現実からするとどうもリアリティを欠いた話に思えてしまう。今どき、結婚していないからといって社会的に不利な立場になったり周囲から白い目で見られるようなことはないと思うが、このドラマの登場人物たちの住む世界はどうやらそうではないらしい。
1話の間に「結婚」ということばが200回くらい出てきて、見ているほうもうんざり。事実婚の多いフランス人が見たら、「なーにをくだらないことで悩んでるんですか」という話になるだろう。「ルームシェアなんかしたら彼氏ができた時どーするんですか!? いちいちホテル行って寝るんですか」とか言われそうだ。
1話の冒頭、大学で恋愛学の授業を受けた三吉彩花が自転車で町を駆け抜けてバイト先の花屋へ向かう道中、主要人物の横をすり抜けていくことで人物紹介をする、という演出はなかなかスマートだと思ったのだが、光るものがあったのはここまでだったようだ。
そもそも、「結婚しない」というタイトルからすれば、「結婚できるけどしないという選択をしたひとたちの話」と思うわけだが、菅野美穂演じる小春は「結婚? そりゃあしたいわよ」みたいなことを平然と言ってのける。ようするに「結婚したいけどできない女」なのだ。天海祐希演じる春子は上司と長年の不倫関係にあったため、こちらも「結婚しない」というより「できない」状況にいたわけだ。唯一、「自分のこともちゃんとできないのに人の人生なんて預かれない」とかなんとか理屈を言う玉木宏演じる工藤だけが「結婚しない」という選択をしている人物だ。「結婚したいけどできない女」が主人公だから、何かきっかけさえあれば普通に恋愛して結婚するんだろうな、ということになるわけで、それじゃあ今までの恋愛ドラマと変わらないじゃん、という気がする。
「結婚しないという選択をして自分の生活様式を保持しながら楽しく暮らしていたひとたち」が、何かのきっかけによってその意志がゆらぐ、という話だったらそれなりに面白かったのかもしれない。でも、それじゃあ阿部寛の「結婚できない男」か。あと、菅野美穂が結婚できないんだったらその辺のOLは誰もできんよ。
たぶん3話以降はパス。
もう一つ、開始15分で挫折したのが「東京全力少女」。脚本は、古くは「パパはニュースキャスター」、最近では「デカワンコ」を書いた伴一彦。らしいといえばらしい話なのかもしれないが、個人的にはちょっと付き合いきれない感じ。同じく暑苦しい女子が主人公のドラマとしては朝ドラ「純と愛」のほうが遥かに面白い。
というわけで、今期見続ける予定のドラマは「純と愛」「高校入試」「悪夢ちゃん」「ゴーイングマイホーム」で決まり。
あとはこれに「遅咲きのヒマワリ」がひょっとすると加わるか、という感じか。