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UNIQLO&JWAのデニムワークパンツ再考

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昨年末のブログでUNIQLO&JWアンダーソンについて書いた。最終的にかなりの値引きがされたこともあり、あれこれ買い過ぎてしまったのだが、それでもワークパンツだけは何度か試着したものの諦めた、と記した。年末に990円にまで下がり、かつマイサイズも店舗に残っていたし、色落ち具合がいいだけにスルーしてしまうのも惜しい気持ちだったのだが、試着室の鏡に映したサマはどうにも不格好に見えた。


ところが、である。ここに前言撤回の旨を記さねばならない。というのも、年末も押し迫った1231日、食料品やお酒などを買い込んだついでに最寄りのUNIQLOを何気なく覗くと、通常のワゴンのさらに端のほうにあるワゴン、私が「最果てのワゴン」と密かに呼ぶコーナーに、UNIQLO&JWAのデニムワークパンツが一本だけ置かれているのを見つけたのである。「ヨゴレあり」の表示があり、価格はなんと500円。ヨゴレといっても、見たところ膝裏の辺りにわずかに黒くこすったような跡があるのみ。場所からしても全く気にならないし、洗ったら落ちそうだ。


この「最果てのワゴン」には、主に「裾上げしたもののやっぱり気にいらないから」と返却された可哀想なパンツや、キズやヨゴレありと書かれた訳あり商品が置かれていて、最終処分価格500円の値札が付けられていることが多い。店舗によって並ぶ品はまちまちだと思うが、時々マイサイズ、ジャストレングス(に裾上げされた)パンツなどがあるのであなどれない。そのワゴンに、最後まで迷って結局買わなかったあのワークパンツが漂着していたのである。なんだか不憫な気もするし、これは私が保護しなければ、という心持ちにすらなる。


念のため、もう一度試着をしてみる。やはり、長過ぎる裾を折り返してもダブついたシルエットは変わらず。しかし、サイドがプレスされた状態のため、一度洗うとかなり雰囲気が変わるであろうことは想像がつく。プレスの効いたコットンのシャツなどもそうだが、洗った後どうなるのかを試着の段階で想定するのは案外難しい。経験値から、プレスがとれて、この程度縮んでこうなる、とイメージはできるのだが、ガチガチにプレスが効いた状態で「その後」の姿を予想するのはなかなか困難である。しかし、これまでいくつものUNIQLO&JWAのアイテムを着て、どれもハズレなしであることを実感している身としては、絶対に悪い品ではない、一度洗ったら雰囲気が変わってしっくりくるに違いないとの期待を込めて買うことにした。


たかが500円のパンツにそこまで悩む必要もないわけだが、買ったはいいけど結局着ませんでしたというのは私のちっぽけな自尊心が許さない。気に入らなければフリマアプリ等で売りさばけばいいじゃん、という声も聞こえるが、そういう問題ではないのだ。たとえ安くても、気に入らないもの、結局着ないものをそもそも買いたくはない。数多のアイテムの中から、何をチョイスするのか。その行為によって、何かを試されているような気がするのだ。誰が何のために試しているのかはよくわからないのだが。


というわけで、2017年最後の日に最果てのワゴンでデニムワークパンツを500円で買った。「なんだよ、ワークパンツだけはない、みたいなこと言ってたくせに結局買ってんじゃん」などと責めないでほしい。マイサイズが500円でワゴンにあったら、あなただってきっと思わずレジに向かうだろう。


さっそく家で裏返しにして、ネットに入れてエマールで手洗いし、自然乾燥。それを二度ほど繰り返して履いてみたところ、ん?悪くないじゃない。Leeのぺインターパンツ、カーペンターパンツのようなズドンとしたシルエットながら、プレスが取れ、わずかに生地が縮んだことによって、素朴さを残しつつ、野暮ったさが払しょくされたような印象。試着段階ではやたらに長く思えた裾も、少し縮んだのか太めの幅で2ロールアップするとちょうどいい。スキニーデニムの波が過ぎ去り、近頃デニムパンツというもの自体をめっきり履かなくなってしまったが、このシルエットだったらアリかもしれない。つまりこれは試着室で良し悪しを判断するのがとても難しいパンツなのだ。だから売れ残ったのかもしれないとも思う。洗って履いてみて、はじめて良さがわかる。


ぺインターパンツをイメージするならば、ボリュームのある靴が合うだろうと思い、REDWINGのブーツを合わせてみた。もちろん相性はいいが、クラークスのデザートブーツでもしっくりくる。上に着るのはダッフルコートでも悪くないが、せっかくフロントポケットにいい具合にアタリが出ているので丈の短いアウターのほうがいいかもしれない。となると、やはりUNIQLO&JWAのキルティングジャケットがベストマッチか。


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ちなみにこのデニムワークパンツ、日刊SPAでは「やんちゃな中学生みたいに見える」との理由で「買ってはいけない」「ワーストバイ」の烙印を押されていたようだ。そう言われると思わず反発したくもなるアマノジャクではあるのだが、ひとが褒めないものをあえて持ち上げて悦に入るわけではなく、洗って履いてみたら、悪くなかった、という実感のみここではお伝えしておきたい。


公式スタイリングを見ると、こんな格好はできないなと思うし、する必要もないなと思う。


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しかし、組み合わせ如何によっては結構オーソドックスなアイテムとの相性もいいはずだし、土臭くなりすぎないワークスタイルにまとめることもできそうだ。買ってから着方を考える、という無茶なことができるのも、この価格であればこそ。ピンクのロングベルトを垂らしてみてもなかなか良かった。


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やんちゃな中学生? いやいや着るひとによってはそんなことには決してならないから安心を。ハイウエスト、タックインで女性が履くのもいいと思う。


気づけばUNIQLO&JWAは店舗からもネットストアからもいよいよ一掃されつつある。年末の期間限定価も終わってしまったようだが、まだワゴンに残っているうちに、気になるひとは試着だけでもしてみたらどうだろう。ただし、試着の印象だけで判断してはならないことを経験者から忠告しておきたい。




by sakurais3 | 2018-01-08 13:40

ライター・さくらい伸のバッド・チューニングな日々  Twitter saku03_(さくらい伸)


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