無印良品のストレッチサッカーイージーパンツ

b0104718_16023885.jpg

b0104718_15524532.jpg

無印熱ふたたび。以前のブログでも書いたように、このところ無印良品の春夏の新商品ストレッチサッカージャケットと同素材・柄のイージーパンツをセットアップのようにして頻繁に着ている。皺になりにくい、軽い、暑苦しくない、洗ってもすぐ乾く、という機能性もさることながら、素材やシルエット、デザインも良い。Tシャツの上に羽織るだけできちんと感が出るのもうれしい。

その後、ストライプのほうも上下購入してしまったのだが、上下併せて1万円ちょいというのも納得感がある。

ネットストアの画像、モアレがひどいですね。
b0104718_15582277.jpg
b0104718_15401799.jpg


シアサッカーの細いストライプの上下というと、ラルフローレンが出していたことでもでお馴染みだ。

b0104718_15555508.jpg


アメリカントラッドの匂いがする素材・柄であり、潮風が似合うリゾート的なテイストもあるので、ネイビーよりややくだけた印象がある。いずれにしてもサッカーという素材自体カジュアルなものなので、特にかしこまって着るようなものではないが、その日会うひとや行く場所に合わせてネイビーかストライプをチョイスするのが良いだろう。

とはいえ、そろそろジャケットを脱ぐ気候になってきた。今までのTシャツ+ジャケット+パンツという組み合わせから、単にジャケットだけを外せばいいかというと、そうでもない。Tシャツ+イージーパンツでは、ともすればルームウェアのように印象になってしまう。

先日の一泊二日の沖縄取材では、このイージーパンツのネイビーとストライプを履いていた。もちろんジャケットはなし。沖縄だから半袖半ズボンでいいだろうと考えるのは素人。沖縄の紫外線なめんな、ということで、地元のひとたちは真夏でも長袖長ズボンのひとも多い。以前、宮古島にハマっていたことがあるのだが、最初に行った時、何も知らずにTシャツにショートパンツでふらふらしていたら火傷のような状態になった、という経験がある。なので今回の沖縄行きでは、梅雨の時期とはいえ、長袖長ズボンで行くことに。

ストレッチサッカーイージーパンツは、ウエストにゴムが入っているので飛行機や現地での車移動の際も楽。かつ皺になりにくく、とても重宝した。一部で絶賛されているというユニクロのドライEXウルトラストレッチアンクルパンツ(長いな)はドレスライクどころかジャージライクで、いくらドライ素材のストレッチ仕様とはいえタイトなシルエットは暑苦しい。その点、無印のストレッチサッカーイージーパンツは、腿のあたりの適度なゆとりと裾にかけて細くなるテーパードによって、ゆるすぎずタイト過ぎないちょうどいいシルエットになっている。

では、ジャケットを着ない、Tシャツでもないとなると、イージーパンツの上には何を着るべきか。沖縄では、同じく無印のフレンチリネン洗いざらしシャツのネイビーと同じくフレンチリネン洗いざらしスタンドカラーシャツ(ストライプ)を着ていた。いずれも長袖の袖をまくり、ネイビーのイージーパンツにはストライプのシャツ、ストライプのイージーパンツにはネイビーのシャツ、という組み合わせに。シャツの下にはユニクロのエアリズムシームレスインナーを着た。


b0104718_16112849.jpg

b0104718_15401799.jpg

b0104718_15454751.jpg
b0104718_15460532.jpg

無印のフレンチリネンシャツはフランス・ノルマンディーの契約農家から継続して仕入れる素材によってつくられた定番商品。毎年微妙にディティールを変えて発売され続けている。今までMサイズを着ていたが、今回試しにLサイズを試着してみたところ、ゆったりしつつも裾丈は長すぎない。リネンという素材の特性として、洗うと裾がくしゅっと縮まることも考え、Lサイズのネイビーとスタンドカラーのストライプを購入。沖縄の地でもたいへん快適であった。ちなみにこの時の靴は、飛行機や車での移動、海辺での撮影を睨み、フィットキックスにした。早朝から深夜まで履き続けることになったが、こちらもとても快適だった。
b0104718_15485505.jpg
ついでに鞄は何を持って行ったのかというと、登山用品専門店カモシカスポーツのオリジナルバックパックである。

b0104718_15492530.jpg

かれこれ20年ほど使っているが、ほつれたり破れたりもせず、軽量だがしっかりとしたつくりで防水性もあるので泊まりの地方取材の際にはこれを持っていくことが多い。機内持ち込み可のサイズでありながら、荷物が増えた場合でもストラップで上蓋の位置を調整できるのでかなりの容量になる。ショルダーもしっかりしたつくりなので両肩で背負うとさほど重さを感じない。地面にポンと置いても気にならない気楽さタフさもいい。

話が逸れた。無印のストレッチサッカーイージーパンツの上に何を着るのか問題である。上記のように、無印のフレンチリネンシャツと相性がいいが、その場合、できれば半袖ではなく長袖の袖をまくって着たい。リネンシャツは、てろんとした風合いがキモなので、半袖ではそれが活かせないような気がする。インナーにTシャツを着るのもどうだろうか。前述のシームレスインナーやVネックのエアリズムなどを着て嫌らしくない程度にボタンを外す着方が色っぽくていい。首元にネックレス等は不要。


b0104718_16045215.jpg

b0104718_15495797.jpg

では、真夏にはどうすべきか。それなりの色や形を選べばTシャツでもいいとは思うし、ポロシャツも悪くない。

たとえば、ストライプのイージーパンツには、再発売されたUniqlo UのインディゴクルーネックTシャツでもいいかもしれない。もちろんオープンカラーシャツも合う。

b0104718_15501790.jpg


あるいは、GUのビッグプルオーバーシャツ(ライトデニム)なども面白い。

b0104718_15505816.jpg

ネイビーとストライプのイージーパンツを起点に、いろいろ試してみるのも楽しい。足もとも、ローファー、サンダルやデッキシューズ、スニーカー、スエードの靴など、案外合わせやすい。

などと考えながら、無印のネットストアを覗いたら、ストレッチサッカーイージーパンツはネイビーもストラップもどちらも品切れ! ユニクロならすぐにでも追加生産をかけるところだ。なんという機会損失。店舗にはまだあると思うので、興味のあるひとは探してみてください。


余談ではあるが、このところ寺尾沙穂の新譜を繰り返し聴いている。





[PR]
# by sakurais3 | 2017-06-23 16:06

沖縄ラビリンス

一泊二日の沖縄取材から戻り一週間が経っても、まだ身体に沖縄のムードが居座っている。たかだか二日いただけなので沖縄時間が染み付いて仕事に遅刻するなどということはないにせよ、満員電車を一本やり過ごす程度のゆるさは残っている。ちなみに沖縄の地元のひとたちは「なんくるないさー」とは言わない。普通に「大丈夫よー」と言う。大阪のひとたちが「まいどおおきに」と言わないのと同じだ。

ちょうど沖縄に到着した日にYouTubeでMVが解禁されたモンドグロッソfeat.満島ひかりの「ラビリンス」を宿泊先のホテルの部屋で繰り返し聴いた。私にとってこの曲は、沖縄の旅と分かち難く結びつくことになった。もちろん満島ひかりが沖縄出身ということもあるし、タイトルの「ラビリンス」とMVのロケ地である香港の猥雑さが、那覇国際通り裏に連なるアーケード商店街の混沌とオーバーラップしてもいる。

b0104718_11235962.jpg






旅先の写真というものは、子どもやペットの写真と同様に、何枚見せられようが、というより見せられれば見せられるほど他人にとってはどうでもいいものである。楽しいのは概ね本人だけ。個人的な記録として…というエクスキューズすら糾弾されてしまうご時世だが、見えない誰かの顔色を窺いながら何も言えなくなっていくことほどアホらしいことはない。

b0104718_11192076.jpg

沖縄は梅雨入り後のため予報では曇り~雨だったが、着くなり快晴。雨男・雨女がいなかったからだと皆でよろこんだ。

b0104718_11193888.jpg


b0104718_11194938.jpg


b0104718_11200472.jpg


到着した時刻がお昼だったので、まだ何の仕事もしていないのにいきなりランチ。海が見渡せるイタリアンレストランでパスタとかピザとか。ご褒美のような仕事。「たまにはこういうことでもないとやってられないですよ」と編集。

取材・撮影を終え、夜は竜宮通り入口にある「小料理 小桜」で晩御飯。

b0104718_11201904.jpg

「小桜」は創業62年、2階建ての建物はほぼ創業時のままという。竜宮通りの看板にある「社交街」とは、この辺りの言い方で「オトナの夜の店」が多く集まるエリアを指す。この先に「桜坂社交街」があり、竜宮通りはその入口として、割烹や小料理屋が軒を連ねた場所だという。国際通り沿いは観光客相手の店が並び原宿竹下通りの様相を呈しているものの、どこの街でもそうだが、やはり表通りから一、二本入った細い通りが面白い。

小桜一階の狭いカウンターに肩寄せ合うように座りながら飲む。お通しのもずく酢からして美味しい。そして東京ではまったく美味しいと感じないオリオンビールも沖縄の気候のなかでジョッキをあおるとしっくりくる。島らっきょうだけで何杯も飲めそうな気がする。


b0104718_11203355.jpg


b0104718_11420659.jpg



b0104718_12465254.jpg



b0104718_11204824.jpg

しかし、同行のカメラマン氏の酒癖の悪さを知っているため、名残惜しそうな氏を尻目に深酒せずに切り上げる。「えー、さくらいさん前は日本酒ガンガン飲んでたじゃない。どうしたんですか」とボヤいていたが。本当はひとりで店を探し歩きたい気分だったが、時間も時間なので断念。ホテル階下のローソンで缶のオリオンと沖縄限定・明星の沖縄そばを買って帰る。

b0104718_12474647.jpg


b0104718_12483254.jpg


二日目の朝。またしても快晴。ホテルの朝食はナシにしてあったので、チェックアウトして9時開店のA&Wでバーガーとルートビア。沖縄の朝には焼き鮭や卵焼きや白いごはんは似合わない。


b0104718_11210202.jpg


b0104718_11211313.jpg


あたらしくできた「美らSUNビーチ」では、今週末AKB総選挙が行われるという。慰安旅行も兼ねているのだろうか。


b0104718_11525417.jpg

取材・撮影を終え、昼食は道の駅でソーキそば。沖縄そばは豚の三枚肉、ソーキそばは豚のあばら骨周りの肉。それだけでも覚えて帰ってください。骨にこびりついた肉を歯でこそげ落としながら食べる。とても美味しい。沖縄そばを注文したカメラマン氏が「スープが薄い味がしないやっぱりソーキの肉のほうが味が出るんだ」とうるさいので編集がソーキをひとつ丼に分けてあげるとおとなしくなった。


b0104718_11213020.jpg

道の駅では旬のマンゴーを売っていたが、売店でそのマンゴーをまるごと絞ったジュースを売っていたので飲んだ。ひと口飲み、あまりの美味さに驚く。編集に「これは絶対飲んだほうがいいやつ」と薦める。一杯500円だが、その価値は十分にある。カメラマン氏は興味ない様子。


b0104718_11214108.jpg


b0104718_11215396.jpg


帰りの飛行機まではまだ時間がある。私は国際通り裏の牧志公設市場周辺の商店街を歩きたかったのでリクエストする。市場本通り、むつみ橋通りなど、いくつものアーケード商店街が交差するカオス。微妙に高低差があるのはかつて一部が川だったからだと以前「ブラタモリ」でやっていた。


b0104718_11220758.jpg


b0104718_13250676.jpg


b0104718_11223107.jpg


b0104718_11221855.jpg


b0104718_11224418.jpg


店と店の間の細い隙間を猫たちが楽し気に行き交う。縦横に散歩できて、先々で食べ物にありつけるのだから、猫にとってはパラダイスだろう。所々に食堂や飲み屋があり、とても興味をそそられるが、カメラマン氏はレンタカーを返却に行く時間を気にしている。空港まではモノレールを使えばここから15分ほど。私は勝手を言い、1時間ほど別行動にさせてもらうことにした。町は、ひとりで歩かないと自分のものにならないと常々考えている。何か気になるものがあった時、自由に立ち止まり、なんなら店にふらっと入ることは、同行者がいると難しい。もちろん仕事で来ているのだから、それはわがままというものだが、もう仕事は終了して帰りの飛行機を待つのみというタイミングなので許していただこう。いま振り返っても、この最後の1時間があるのとないのとでは、印象がまるで違ったはずだ。沖縄の残像のようなものが自分の眼にしっかりと刻まれた気がする。



b0104718_11231236.jpg


b0104718_11233251.jpg


b0104718_11234522.jpg

ごめん。起こしちゃったね。バイバイ那覇猫。またいつか。





[PR]
# by sakurais3 | 2017-06-13 13:16

無印良品のセットアップ

一昨年くらいからだろうか、あちこちの洋服屋でセットアップをよく見かけるようになった。いわゆるスーツよりもカジュアルな上下揃いの服であるところのセットアップは、ネクタイをする必要はないもののある程度ちゃんとした格好が求められる場面で活躍するが、仕事とプライベートの区分けが曖昧な私のような職業の者にとっても大変重宝するアイテムである。

春から夏にかけて、次第に服装がラフになっていくのは高温多湿な日本の気候風土を考えれば理にかなっているが、そうはいっても時と場所、会う相手によってはTシャツ1枚でふらふら出ていくのはあまりに無防備といえよう。そんな時、Tシャツの上に着るだけでちゃんとして見えるセットアップは実に都合がよい。昨年はユニクロ&ルメールのシャンプレーのジャケットと同素材のイージーパンツを組み合わせたセットアップを仕事でも仕事以外でも着倒した。

今年も、4月~5月はかなりの頻度で着用したが、割としっかりとしたつくりのため、5月も後半になると暑い。真夏になれば半袖シャツで良いと思うが、そこに至る季節のはざまに着用できる、もう少し薄手のセットアップが欲しいと思い、いくつかのセレクトショップで試着をしてみたりもした。具体的にはユナイテッドアローズ・ビューティー&ユースとジャーナルスタンダード・レリュームであるが、帯に短しタスキに長しという感じで購入には至らず。ただ、セットアップの素材としてはこれからの季節にはシアサッカーが良いということは試着で明白になった。

そんな時に見つけたのが、無印良品のシアサッカーセットアップである。いや、正確には別々に売られているストレッチサッカージャケットとストレッチサッカーイージーパンツがセットアップとして着用できることに気づいたということなのだが、非常に軽やかで通気性も良く、それでいて皺になりにくい。洗濯後もすぐに乾く。本来サッカー地といえば素材はコットンだが、これはストレッチが効いているのでポリエステル(セレクトショップで試着したものも同様だった)。


b0104718_14541279.jpg


b0104718_15130442.jpg


b0104718_14501637.jpg


細いストライプのタイプのほうが「いかにもシアサッカー」なのだが、リゾート感が強くなってしまうので、仕事で着るにはネイビーのほうがいいだろうと判断。


b0104718_14515917.jpg

サッカーの特徴である凸凹のある素材のため、ネイビーでも無難過ぎず、表情がある。ユニクロのドライストレッチジャケットはいかにもテラテラのポリエステルのため着ようとは思えなかったが、無印のほうは同じポリエステルでも風合いが良い。無印の素材に対する目配せは、相変わらず確かだと思う。


b0104718_14505537.jpg


しかし、せっかくセットアップで着ることができるアイテムにも関わらず、ネットストアでも店頭でも、そのことを前面に打ち出していないのは実に不思議な話だ。これだけ世にセットアップが氾濫しているにも関わらず。店舗によってはイージーパンツのみ販売していて、ジャケットは置いていなかったりもするようなので、そもそもセットアップとして売る気がないのかもしれない(ネットストアの写真はセットアップになっているが、文言として『セットアップとして着用することもできます』とは謳っていない)。

この辺り、衣料品メーカーではないがゆえの無印の弱さなのかもしれない。2016年の秋冬、巷にはチェスターコートが溢れ、やれオーバーサイズだビッグサイズだと喧伝されていたご時世にメンズでショート丈のダッフルコートを出してしまう空気の読めてなさ。「いや、うちはその時々の流行りにいちいち迎合しないんです。長く愛用される定番だけ出していくんです」というスタンスを貫くのであればそれはそれで結構なことなのだが、チラチラとトレンドにも目配せしつつ、それが大体1、2年遅いというのはいかがなものか。無印の顔ともいえるオーガニックコットンやフレンチリネンしかり、素材に対する目配せは確かなものがあるだけに、このデザイン的なタイムラグはつらいものがある。

おそらく、ある商品企画が立ち上がり、デザイン作業から素材の調達、工場の確保、クオリティ管理などを経ていくとある程度時間がかかるのだろうが、たとえばGUのトレンドに対するスビード感のある乗っかり具合などを見るにつけ、それと同じことは求めないまでも、もう少し迅速なサイクルでできないのだろうかと他人事ながら心配になる。いっそのこと無印はトレンドと関係なく定番だけをマイナーチェンジしながら出し続ければいいのではないかとすら思うが、じゃあ毎年グローバーオール的な定番のダッフルコートを出し続けていればそれでいいかというと、商品企画の観点からはそうもいかないのだろう。

おっと、そんなことはどうでもいい。この無印良品のストレッチサッカージャケットとイージーパンツをセットアップで着るとたいへん良い、ということが言いたいのである。セットアップの中には白Tを着るのが定番のようで、着用例を見てもその組み合わせばかり目につくが、あまりにも無難過ぎるというか凡庸過ぎて、そのひとらしさはどこへ?という気がするので、Tシャツを着るのであれば白ベースでうるさくない程度にデザインが施されたものを差し込みたい。


b0104718_14570883.jpg

b0104718_14572786.jpg


ユニクロ・UTのソル・ルウィットTシャツは、ボーダーとストライプを混在させたような幾何学模様のため、ジャケットのインナーとしては最適。光沢のあるラバープリントがアクセントになる。襟がやや開き気味で丈が短めの形はインナーとして着ることを想定しているのだろう。


b0104718_15150133.jpg

b0104718_14563328.jpg

こちらはGUのロックTシリーズの1枚、レッチリ。

b0104718_14560060.jpg
b0104718_14552651.jpg


ジャケットの中に着ると文字は読めなくなるが、そのくらいでちょうどいい。ビッグシルエットと銘打たれているが、それほどビッグではなく、裾にはちゃんとスリットが入っている。そうそう、無印では今季から遅ればせながらビッグシルエットのTシャツを出し始めたが、裾にスリットが入っておらず、「ほらやっぱり無印がトレンドを追うと中途半端なことになる」と思わずツッコみたくなった。スリットが入っていると、ビッグシルエットでも座った時にお腹のあたりがダブつかないのである。ユニクロやGUはさすがにその辺りを心得ている。

いずれにしても、本格的に半袖の気候になるまでは、この無印のセットアップが活躍するであろう。素材・価格面でちょうどいい感じのセットアップを探しているひとは、一度試着してみることをお薦めする。
















[PR]
# by sakurais3 | 2017-05-26 15:19

tomorrow's people

4月末、取材で福島へ。福島第一原子力発電所を囲む双葉町・大熊町に建設されている中間貯蔵施設を見学。車が出入りするゲートは事前の申請と身分証明書がなければ立ち入ることはできない。ヘルメットにマスク、手袋といういでたちで施設内に入る。やはり妙な緊張感があることは確かだ。手のひらが汗ばむのは手袋をはめているせいだけではないだろう。もちろん、線量計の数値はほとんど上がっていないのだが。車で施設を出たあと、スクリーニング検査を受ける。靴の裏をセンサーで測定するのだが、みな基準値以下とのこと。


双葉町の宿に一泊したのだが、付近に夜間営業している飲食店は見当たらない。念のため検索してみると、近くに焼き鳥屋があるとの表示が。まあ古い情報がそのまま残っているのだろうと思いきや、街灯すらまばらな夜道の向こうに赤ちょうちんが見える。や、やってる!? というわけで、編集者、カメラマンと共に店内へ。すると座敷で大人数の客が盛り上がっていた。あとで聞くと、やはり東電関係者とのこと。複雑な思いのなか、とにかく我々はビールを飲んだ。


宿は新しく、除染作業などを行うひとたち向けにつくられた施設のようだった。近くにコンビニすらない場所なので、館内の自販機で缶ビールやハイボールを買い、飲み干したらまた自販機に買いに行く、を繰り返す。もし一人でここに泊まっていたら、たいそう心細い気持ちになったに違いない。


福島市西部の佐原地区にある「ささき牛乳」と田村市都路町の「よりあい処・華」も取材。ささき牛乳では、震災直後から放射性物質の検査結果をホームページ上で定期的に公表している。低温殺菌された牛乳でつくるソフトクリームはたいへんおいしかった。写真は季節限定のいちご。フレイバーではなく、フレッシュないちごをそのまま牛乳にまぜている。


b0104718_22335410.jpg


よりあい処・華は、築100年超の古民家を活用した地域の人たちの交流の場。115食限定のおまかせランチをいただく。


b0104718_22343733.jpg


「これも食べていきなさい」とお手製のこしあんまんじゅうなどもちょうだいし、田舎のおばあちゃんちに上がり込んだような気分。


b0104718_22345263.jpg


庭には立派な蔵があり、少し荷物が入っているだけで使っていないという。編集者と「蔵でカフェをやったらいいんじゃないか」などと言って盛り上がった。


車で郡山へ移動中、ちょうど満開だった三春の滝桜を車窓から眺めた。気高く、美しかった。


●●●


4月スタートのドラマは結局、『ひよっこ』と『やすらぎの郷』という朝と昼の帯のみ見続けている。録りためた分を週末にイッキ見するのが目下の楽しみだ。年季の入った波瑠好きからしても『あなたのことはそれほど』はそれほど。


お父さん、『ひよっこ』、見てますか? 私は毎日泣きながら見てますよ? 今ごろお父さんもどこかで見てるんだろうなって、そう思いながら乙女寮のみんなと見ています。お父さん、いまどこにいるんですか?


と、モノローグがついつい谷田部みね子になってしまう病を発症しているわけだが、『ひよっこ』は従来の朝ドラのパターンを踏襲しつつ、本来であれば115分という尺のなかで端折ってしまいがちな要素を実に丁寧に積み重ねていく。朝ドラはこれが3度目になる脚本家・岡田惠和は職人芸というべき筆致で愛情をもって登場人物たちの姿を活写する。


b0104718_22354064.jpg


先週の放送で夏ばっぱ(宮本信子)とヤング春子(有村架純)という『あまちゃん』における母子競演シーンの復活が話題になったが、プロデューサーが『あまちゃん』と同じ菓子浩なのだし、そもそもタイトルからして両方とも半人前を意味する時点で『ひよっこ』が『あまちゃん』を踏まえてつくられていることは間違いないとは思うものの、クドカンの脚本における面白さ優先によるダイナミックな跳躍とは逆に、岡田惠和は行間を埋めるようにじっくりとエピソードを描く。『あまちゃん』に大いなる刺激を受けつつも、「俺ならこう描くね」とほくそ笑んでいるのではないかと勝手に想像してしまう。


現時点では集団就職で上京してきた少女たちの仕事と暮らしを笑いと涙で描いていて、言ってみれば『ALWAYS 三丁目の夕日』の六ちゃん(堀北真希)のくだりをリアルに描写するとこうなる、というような展開になっているが、工場でラジオの部品を流れ作業でつくっていくというおよそドラマチックとはいいがたい話がなぜこれほどまで豊かな物語になるのかと驚く。


日々を丹念に積み重ねていくこと。その先に、きっと何か良きことが待っている。そんなことをまだ無邪気に信じられた時代なのかもしれないが、「ライバルは1964年」とか言って簡単に納得してしまうのではなく、各々の心の機微のディティールを丁寧に積み重ねていくことで当時の人々の心情や時代の空気をとらまえようとしているように思える。これもまた、東京オリンピック前史を描くクドカンの大河ドラマ『いだてん 東京オリムピック噺』に対する目配せではないかと考えるのはいささか勘ぐりが過ぎるかもしれないが。


『やすらぎの郷』は、もはや面白いとか面白くないというレベルではなく、倉本聰の私怨が昼の帯ドラマの形をとりながら白昼堂々と放出される様を日々静観するしかあるまい。いや、もちろん十二分に面白いのであるが。


陸の孤島のような老人ホーム「やすらぎの郷」からカメラが出ることはないため、これはもう不可解な密室殺人でも起きて石坂浩二=金田一耕助が謎を解き明かす、くらいのことが起きないと話がもたないのではないかとすら思うが、そこはそれ、遅れて入居してきた秀さん(藤竜也)のヤリチン伝説からの無様なぎっくり腰と、施設を出ずともおかしな人たちが外部から次々にやってくればいくらでも話を転がすことは可能なのだろう。


●●●


相変わらず、ユニクロ、無印、GUのファストファッションが面白い。「ファストファッション着てる奴なんてダサい」などという言説はとっくに死んだものと思っていたが、どうもいまだにそう考えるひとも少ながらずいるらしく、そういうひとからすれば日々SNSでファストファッション着用写真をアップする私のような人間はダサさの権化だろう。


私がやっているのは、「ファストファッションであっても組み合わせ方次第でいい感じに着こなすことはできる」という人体実験のようなものであり、そのためには服だけを床に並べて俯瞰で撮るようなスカした方法ではなく、恥をしのんで自分の身を晒すことが重要だと考える。これはバカリズムいうところの「#自己顕示欲解放中」などではなく、「身長170センチの特に手足が長いわけでもない日本人が着用するとこうなりますよ」というサンプルを提示しているつもりだ。なぜそんなことをするのかというと、それがおもろしいんじゃないかと思っているからなのだが、そのサンプルを見て参考にすべきものがあれば参考にしてもらい、「いやそれはさすがにないわー」と思えば反面教師にしてもらえばいいのである。それがファストファッションである理由は、年齢・性別・学歴・年収・容姿の美醜・性癖等に関わらず誰もが簡単に入手できる商品だからだ。その気になれば誰もが入手できるというのは素晴らしいことだと思う。もちろん、そこからしかるべきものをチョイスする目(審美眼などという大袈裟なものではない)が求められるわけだが。


もっとも、セレクトショップに行けば上下1万円そこそこでセットアップが売っているご時世、ものによってはUniqlo Uのほうが高かったりもするわけで、こうなるともはやファストファッション=安かろう悪かろう云々という括り方自体があまり意味をなさない。ようは納得感のある価格で、サイズや素材、色、柄の選択の幅があり、余計なストレスなく買い物ができるかどうかがポイントになる。というような話を私は繰り返し語っているような気もするが、まあ生まれてから死ぬまでユニクロでいいや、というのも切ないものがあるし、特に若い頃は思い切ってどーんと高い服を買ってみるのも必要なことだと思う。たとえ後悔しても、それが何かの血肉になることは間違いない。


私は高円寺に住んでいた時代によく古着屋を利用していたが、古着屋の接客のほったらかし具合が好きだった。客は勝手に服を見て、試着の時だけ店員に声をかける。試着中も店員から「サイズいかがですかあ」と声をかけらることもなく、気に入れば買うし気に入らなければ棚に戻す。好き勝手に見て買える雰囲気は、実はユニクロの店舗と似ている。店員のレコメンドや「いま出てますよそれ」も「最後の一着なんですよ」も要らない。スーパーで食料品を買うように、私はユニクロで服を買う。「これでいい」ではなく、「これがいい」。


とはいえUniqlo U 2017の春夏はあまり食指が動かず、結局コットンツイルパンツ(オリーブ)とオープンカラーシャツ(紺、黒)、ニットスリッポン()のみ購入。むしろ昨年のユニクロ&ルメールのシャンブレーセットアップやコットンツイルイージーパンツなどを引き続き着ていたりする。そのシーズンしか着られないなんてことはまったくない。


b0104718_22503439.jpg

b0104718_22491392.jpg


b0104718_22493022.jpg


GWに読んだ岡本仁氏の新刊『東京ひとり歩き ぼくの東京地図。』に富ヶ谷のアヒルストアについて書いた項があった。



b0104718_22522824.jpg


「身の回りを上質なものや一流品ばかりで固めても上品にはならないし、やりすぎるとむしろ下品に見えてくることもある。上質は集めることもできるし目指すこともできる。でも、上品は身についているマインドなどに関わるものだ。だからそこは後天的に大きく変えられるものではない。でも、『上品』な生まれでなかったとしても『下品』にならないことを目指すのは可能だ。」


アヒルストアについて書いている一節なのだが、実に普遍性のあるテーゼではないだろうか。メディアで「一生もの」や「10年つきあえる逸品」として取り上げられるものは既に確固たる価値が認められているものばかりで、しかも大抵高価だ。確かに惜しみなく材料を使い、ひとの手間もかかった上質なものだということは疑う余地はないのだろう。しかし、それを大枚はたいて買った人間がそのまま上品であるかどうかはまた別の問題だ。上質は金で買えるが、上品は態度や考え方に宿る。


まだ評価の定まっていないもののなかに価値を見出す。高いものはいいものだという幻想からも、誰それが作っている、誰それが薦めている、限定品などという情報からもできるだけ自由に、そのもの自体が自分にとって価値があるかどうかを見定めること。それこそが批評性をもって生きるということだと思うのだ。





[PR]
# by sakurais3 | 2017-05-16 22:58

2017春ドラマより 『パンセ』『やすらぎの郷』

3月31日・4月1日の2夜にわたって放送されたスペシャルドラマ『パンセ』は、脚本・木皿泉、主演perfumeという異色の組み合わせゆえに放送前から話題となっていた。

b0104718_00350734.jpg

木皿泉といえば日テレかNHKでの放映の印象が強いところ、なんとテレ東の深夜。前の週まで『山田孝之のカンヌ映画祭』を放送していた時間帯である。どちらかといえばマニアックな設定のドラマが多いテレ東深夜枠にあって、異質なドラマが唐突にはじまって唐突に終わってしまったという印象をもつひとも多かったのではないか。

おそらくperfumeファンは、演技をする3人の姿を見られただけで満足かもしれない。かしゆかが同じ事務所の吉高由里子出演『横道世之介』の「カーテンぐるぐる巻き」をコピーしていたのも可愛かった。あるいはダンスを盛り込んだミュージカル的なドラマを期待していたひとは拍子抜けしたかもしれない。perfumeファンの中には木皿泉って誰?というひともいただろう。

木皿泉は、『すいか』『野ブタ。をプロデュース』『セクシーボイスアンドロボ』『Q10』という一連の日テレドラマから、最近はNHKの『昨夜のカレー、明日のパン』や新春ドラマ『富士ファミリー』など、社会に居心地の悪さを感じていたりマジョリティから疎外されたようなひとたちにそっと寄り添う作風に定評があり、常に新作が熱望される夫婦(めおと)脚本家である。

タイトルのパンセとはパンジー(3色すみれ)を意味するフランス語。perfumeの三者三様具合を3色すみれに投影しつつ、木皿泉のコメントによれば、「たまたま本棚にパスカルの『パンセ』があった」ことも影響しているらしい(『人間は考える葦である』でおなじみの)。ちなみに、哲学者レヴィ・ストロースの『野生の思考』の原題は「野生の3色すみれ」。このドラマが、思想家と哲学者にちなんだタイトルになったのはたまたまなのかというと、どうもそうでもなさそうだ。

perfume演じる3人のOL(のようなもの)は破格の金額で憧れの洋館を手に入れたものの、実はその家に住む40代の引きこもり男の面倒を見ることになるというオマケ付き。その男・力丸(勝村政信)は長年、外界・社会と断絶して暮らしているが、そこにはおそらく彼なりの思想や哲学があるはずだ。哲学(philosophy)という言葉は、ギリシャ語の愛(philo)と知恵(sophy)から成り立っている。愛と知恵は、まさしく本ドラマのテーマと言ってよい。

おそらく自分なりの思想や哲学に従って生きてきた力丸にとって、突然家にやってきた3人の女性は闖入者には違いないが、同時に世界・社会とのドアの役割も果たしてくれる。

今年1月に放送された新春ドラマ『富士ファミリー2017』で、こんな印象的なセリフがあった。

「家って呼吸してるみたいだよね。扉が開いて『行ってきます』、また扉が開いて『ただいま』って。息してるみたいにさ」「ほんとだ。それが当たり前みたいに思ってるもんな、俺たち」

ドラマ『パンセ』において、この「行ってきます」と「ただいま」は、より感動的な響きを伴って交わされる。そして、自らドアを開けて社会に一歩踏み出した力丸は、おそらく生まれて初めて「何かをしてその対価を得る」という社会的な行為をする。

力丸の帰りを家で待つ3人は、その小さな一歩を祝福するように「おかえり」の垂れ幕を掲げる。長い間、家を出たことのない者は、自ら「行ってきます」と言うこともないし、誰かに「おかえり」と言われることもない。家に掲げられた「おかえり」の言葉は、世の中と断絶していた中年男が、もう一度世界に受容される魔法の言葉となって降り注ぐのだ。

言ってみれば、perfumeの3人は、3色すみれの精であり、お払い箱になった家政婦(片桐はいり)の代わりに風に乗って豪邸に舞い降りたメリーポピンズである。その3人がシャボン玉を風に乗せて空に飛ばす。それは、ドアを開けて外の世界へ出る決心をした力丸の自由(と一抹の寂しさ、孤独への惜別)の象徴として、頼りなげに、それでもゆらゆらと高く空へと浮かぶ。

公式サイトによれば、ラストに流れる吉田拓郎の『どうしてこんなに悲しいんだろう』は木皿泉の脚本で既に指定されていたという。拓郎とperfumeといえば広島つながりではあるが、何よりもperfumeの曲を一切使わず、拓郎の1971年の比較的マイナーな歌を持ってくるあたり、今のドラマとしてはかなり異色なことだろう。

録画やネットで見るひとが多いとはいえ、マニアックなテーマや不条理な笑いを扱うことも多く、それなりにトーンが定着しているテレ東深夜という枠組みに、果たしてこのドラマがフィットしていたのかというと、それはよくわからない。30分の2夜連続ではなく1時間にして1夜放送のほうが良かったのではないかという気がしないでもないし、Eテレ『テクネ』を思わせる可愛いオープニング映像の印象からか、もしこのドラマをEテレでやっていたらどうなっていただろうか、などと余計なことまで考えてしまった。

いずれにしても、1月に『富士ファミリー2017』があり、3月末に『パンセ』と、これほど短いインターバルで木皿泉ドラマが立て続けに放送されることもなかなかない。そろそろ連ドラが見たい。


連ドラといえば、4月スタートのドラマで注目なのは、なんといっても倉本聰の昼の帯ドラマ『やすらぎの郷』である。「ゴールデンタイムに年寄り向けのドラマがつくれないんだったら昼の帯でシルバータイムドラマをつくってやろうじゃないの」という意気込みとともにスタートした野心的な新規枠だ。主演は、まさにゴールデンの高齢者向け長寿ドラマだった『水戸黄門』で黄門様を演じたこともある石坂浩二。

b0104718_13331261.jpg

今年の1月にこんなtweetをのんきにしていたのだが、この時点で4月から倉本聰の帯ドラマがスタートするなんて、「そんなことは全く知らなかった訳で…」(by『北の国から』純)。

既に倉本聰は80歳を越えているため、体力的には時々スペシャルドラマを書くくらいが精一杯か、と思っていたのだが、予想は心地よく裏切られた。半年間、130話分の脚本は既に執筆済みというから驚く。

思えば、倉本聰のドラマを意識して見たのは小学校高学年だったか。鍵っ子だったので、学校が終わって帰宅するとテーブルに置かれたおやつを食べながら夕方4時~5時台のドラマの再放送を見るのが日課だった。そこでたまたま日テレで『前略おふくろ様』の、おそらく何度目かの再放送を見てハマってしまった。月~金、毎日同じ時間に帯で放送という再放送のスタイルと、決して大事件が起こる訳ではないにも関わらず各登場人物が織りなす日常のドラマのリズムとが相まって、反復されることで生じるおかしみと切なさに、子どもながら虜になってしまったのだ。ショーケン演じるサブちゃん始め、登場人物全員が深川のまちに確かに生きて存在している、と思った。

という原体験があるため、『北の国から』も単発のスペシャルよりも連ドラ版が好きだ。倉本聰の脚本の妙は、連ドラの反復性によって生きると思っている。しかも、それが週イチではなく月~金の帯なら最高ではないか。

『やすらぎの郷』は既に45話まで収録したシナリオ本も出ている。現在放送中の部分のみ読んでみたところ、セリフはほぼ完全にシナリオ通りのようだ。第1週が終わり、本日から第2週がスタートした段階だが、既にテレビや芸能界に対する痛切な批評がセリフに込められていて、その過激さと切れ味に驚く。『北の国から』スペシャルの終盤や『おやじの背中』などを見るにつけ、さすがに先生もお歳か、などと思ってしまった自分を戒めたい。

タバコを吸いまくる愛煙家の菊村栄(石坂浩二)はどこか市川崑監督を思わせる風貌でもって、倉本聰の分身たる脚本家を熱演。いまさらながら、これほど魅力的な俳優がお宝番組なんかやってる場合じゃないな、と思う。豪華女優・男優陣の存在感ももちろん見ものだ。ベテランだらけの園にひとり放り込まれた唯一の若手・松岡茉優の立場を思うと胃が痛くなるが。

1974年のドラマ『6羽のかもめ』の最終回で、倉本は既に「さらば視聴率!さらばでテレビジョン!」と書いている。テレビのために懸命に働いた人たち、そして放送を楽しみに見ていた視聴者はテレビを懐かしむ資格があるが、本気でテレビを愛さなかった局の人間やテレビを金儲けとしてしか考えてこなかった者に対しては「あんたたちにテレビを懐かしむ資格はない」と断罪する。

「テレビは終わった」ともっともらしく煽る言説が聞かれるようになって幾年月。終わる終わると言われ続けながら、こうしてシルバータイムドラマが始まることで、何かしらの楔を打つことになるのかならないのか。何かがゆるやかに死に向かっていくことには抗えないとしても、どう終わっていくのがいいのかを、このドラマは半年かけて我々に見せてくれるような気がする。






[PR]
# by sakurais3 | 2017-04-10 13:33

ライター・さくらい伸のバッド・チューニングな日々  Twitter saku03_(さくらい伸) お仕事のお問い合わせ等はメールにて sakurais3@excite.co.jp


by sakurais3
プロフィールを見る
画像一覧